時間の効率的な使い方(前編):緊急度と重要度のバランスを学ぶ

タイムマネジメントにおいて最も大切なことは、「時間」そのものではなく、「価値のある活動」に焦点を当てることです。確かに、時間をうまくやりくりし、目の前のタスクを早く終わらせることも重要です。しかし、より本質的なのは、価値のある活動への時間配分です。

今回のブログでは、スティーブン・コヴィー博士の著書『7つの習慣』で提唱されている「時間管理のマトリクス」を用いて、価値ある活動への時間配分をどのように行うかを解説します。

1. 時間管理の二つの軸

時間管理のマトリクスは、私たちの時間の使い方を「緊急度」と「重要度」の二つの軸に基づき、4つの領域に分類する方法です。

緊急度

「緊急」とは、すぐに対応が必要とされるものを指します。
これらの活動は他の人にとって優先度が高いことが多く、それは今すぐ、私たちに働きかけてくるものです。
締め切りが他者によって設定されているかどうかが、ここでは重要なポイントです。

重要度

一方で「重要」とは、結果と密接に関連する概念です。
重要度の高い活動とは、あなたのミッション、価値観、優先順位の高い目標に直結するものです。
自分にとって何が重要かを理解するには、思考を整理し、紙に書き出すなどして意識的な選択が必要です。

時間の使い方を決める上で、この緊急度と重要度が基本的な要素となります。「緊急度」に基づいて行動するか、それとも「重要度」に基づいて行動するかが、人生を大きく左右します。

今日あなたが直面したタスクの中で、緊急だが重要でないと感じたものは何ですか?それは、どのようにしたら避けるか、または最小限に抑えることができると思いますか?

2. 時間管理のマトリクスとは

私たちの活動は、緊急度と重要度の二つの軸によって4つの領域に分けられます。

第1領域:緊急かつ重要

「第1領域」は、「緊急かつ重要な活動」を表しています。

お客様との重要な商談や、目の前の機会を捉えるための重要な意思決定といった「稼ぎ頭」の仕事だけでなく、お客様のクレームへの対応、締切ギリギリの資料作成、壊れた機械の修理といった緊急の問題対応、すなわち「火消し」の仕事がこの領域に含まれます。

第1領域は、経験と判断力をフルに活かすところです。第1領域を無視すると大変なことになります。

しかし、第1領域の活動の多くは、ぐずぐずしていて重要なことに着手するのが遅れたり、予防や計画が不十分だったりした結果、緊急に対応しなければならなくなったものが多く含まれています。

緊急な仕事の締め切りは外部に設定されていますので、他人に振り回されている感覚を招くこともあります。そのため、日々忙しく過ごしてそれなりに達成感は感じられるのですが、自己決定感を持てないため、充実感・幸福感が得られないことがあります。

また、第1領域は精神的ストレスが高いため、その活動にばかり注力すると疲弊してしまいます。すると、その反動で、第4領域(緊急でも重要でもない)に逃避することも多いので要注意です。

あなたが日常的に直面する「緊急かつ重要」なタスクは、本当にその両方の要素を備えていますか?あるいは、その緊急性は他人の期待や時間管理の不備によるものですか?

第2領域:重要だが緊急ではない

「第2領域」は「重要だけれども緊急ではない活動」を表しています。

長期目標の設定、スキルアップ、人材育成、人間関係構築など「未来への投資」や、問題が発生することを見越した「問題の予防」などが含まれます。

「もし、常日頃から行っていれば、あなたの私生活の質、仕事の業績、または結果を著しく向上させる活動がそれぞれひとつずつあるとするなら、それは何だろうか」という質問を考えてみてください。おそらく、その答えとなるインパクトを持つ活動は、この領域に入ると思います。第2領域での活動は、充実感をもたらしてくれます。

また、第2領域で未来への投資や問題予防に時間を費やせば、徐々に第1領域の緊急対応が減ることになります。その結果、第1領域に割かなければならない時間が減り、より一層第2領域に時間を使うことができるという好循環が生まれます。

ただし、第2領域が私たちに働きかけてくることはありません。その活動をしなくても、誰も文句は言いません。私たちの方から、自ら働きかけなければならないのです。

あなたの個人的な目標や長期的な計画にとって重要なのに、日常の緊急のタスクに押されて後回しにしてしまっている活動は何ですか?

第3領域:緊急だが重要ではない

「第3領域」は「緊急だけれども重要ではない活動」を表しています。

緊急なメール対応や形式化した会議といった「低付加価値」の仕事や、単に立ち寄っただけの客への対応といった「おつきあい」の多くはこの領域に入ります。

私たちは、緊急なことは重要なことだと思い込みがちです。そのため、第1領域(緊急かつ重要)だと思いながら、他人の優先順位や期待に応えるために、第3領域の活動に多くの時間を費やしています。

第1領域か第3領域かを見分けるポイントは、その活動が自分にとって本当に重要な目的に役立っているかどうかを基準に考えることです。第3領域の仕事ばかりをしていると、朝から夕方まで忙しくしているのに、1日が終わってみると、「本来自分がやりたかったこと」は何もできていない、ということになってしまいます。

その結果、To-Doリストをこなしたという達成感は得られるかもしれませんが、充実感を得ることはできません。

今週、あなたが取り組んだタスクの中で、緊急だったが実は重要ではなかったものは何ですか?それらのタスクがどのようにしてあなたの手元に来たのかを考えてみてください。

第4領域:緊急でも重要でもない

「第4領域」は「緊急でも重要でもない活動」であり、ひとことで言えば、無駄な領域です。

そんなことに時間を費やすべきではないのは、みんなわかっています。しかし、第1領域と第3領域でのストレスで疲弊してしまい、それを癒やす「ストレスの駆け込み寺」として第4領域に逃避してしまうのです。

どんな行為が第4領域に入るのでしょうか。レクリエーションが必ずしも第4領域に入るとは限りません。なぜなら、本当のリクリエーションとは価値ある第2領域に入る活動だからです。

しかし、なんとなくスマホをいじり続けたり、だらだらとテレビを見続けたりすることは、まさに第4領域の活動です。その時は心地よい感じがしますが、何のためにもならないことがすぐにわかります。この領域で過ごす時間が長いほど、自己嫌悪感を感じることが増えます。

ストレスが高まった時や疲れている時に、第4領域の活動に逃避する傾向はありますか?そのような時、どのような活動に時間を費やすことが多いですか?

今回は、緊急度・重要度の二つの軸を用いて時間の使い方を分類し、「時間管理のマトリクス」の各領域の特徴を紹介しました。時間の使い方が、私たちの日々の感情にどのような影響を与えるかがおわかりになったのではないでしょうか。

次回のブログでは、充実感を得るための時間の使い方や、時間管理を改善する方法について詳しくお話します。お楽しみに!

 

社長業専念コンサルタント 横山 一成

社長業専念コンサルタント 横山 一成

「経営者の志をリスペクトし、その具体化を通じて、お客様や働く仲間もワクワクする会社へ磨き上げるサポートをする」を理念に、社長業専念コンサルティング、企業改革・業務改善等の経営コンサルティング、従業員向け研修を実施している。

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